令和4年 元旦 会長挨拶

新年明けましておめでとうございます。
 旧年中も多くの会員の皆様が、希心の法華経の行に励んで頂いたことに感謝を申し上げます。コロナ禍で元旦の行事が取りやめとなって二年目となりますが、身体的、社会的、経済的にも苦しんでおられる方も多いと思います。しかし、歴史を顧みれば、天変地変、悪疫の流行、戦争など数限りない試練を乗り越えて人類は進歩してきています。この度の世界的なコロナ禍も、私たちは必ずや乗り越えて、次の世の中になって行けると信じています。

 希心會の大事な行である御山修行も、この二年間は皆さんと共に行をすることができていません。しかし、また皆が一緒に行をすることができるよう祈願し、新たな道を探ってゆきたいと思います。もちろん御山修行が希心會の行のすべてではありません。先祖供養を通して、私たちがまだまだやり切れていないことはたくさんあります。ぜひ昨年よりも希心會の行について学んでいただき、会員一人ひとりが前進して頂ける様お願い申し上げます。

 さて、「年が改まる」ということは不思議なことだと思います。一日前、数時間前と何も変わっていないのに、新年になると心持ちが全く変わった様に思うのはなぜでしょうか?おそらくそれは、暦が改まるときに因縁も変わるからだろうと思います。神様が、霊界が、年明けと同時に新たな順序をくださり、今までのことはそれとして、新しい気持ちで物事に対処するきっかけを与えてくださっているのだと思います。ですから、私たちはその大切なきっかけを見逃さず、反省すべきことは改め、わからないことは学び、昨年よりも進歩しなければならないと思います。

 変わると言えば、皆さんは「君子豹変」という言葉をご存じと思います。これは、中国の『易経』から来ている言葉です。今では悪い意味で使われることが多い様ですが、本来は「豹がその毛皮を美しく変えるように、人も良く変化する」という意味です。そして、この言葉と対になっているのが「大人虎変」「小人革面」です。一般の人は面(おもて)を革(あらた)めることがせいぜいだが、君子(良き人)は豹の様に美しく変わることができる。そして大人(更に素晴らしい人)は、虎の様に更に美しく、善く変化することができるという意味です。年が改まり、寅の年となり、新しい因縁の中での生活、行がはじまりましたが、自分が今年うわべを替えるだけになるのか、身にまとうもの(着るものだけでなく、考え方や人柄なども)を良いものに変えることができるのか、それとも虎の様に更に美しく、善きものに変化、進歩させることができるのか?それは私たち自身の心の持ち方、日々の生活や行への取り組み方次第ですし、それを後押しして頂ける霊界の順序を頂けるかどうかです。より良き順序を頂き、後押しをして頂けるかどうか、それも今年の、私たち自身の行いにかかっています。

 「変化」という文字を「へんげ」と読むと「本来の姿を変えて現れること」となりますが、お経巻の『妙音菩薩品』には「神通・変化・智慧に於て損減する所なし。是の菩薩は若干の智慧を以て明かに娑婆世界を照して、一切衆生をして各所知を得せしむ。」とあります。お金や物は人に与えれば減少してなくなってしまいますが、教えはどれだけ与えても減って行くものではありません。希心の法華経という道に出会った私たちは、それぞれが霊界からの順序でこの世界に現れ、皆さんの周りにいる人々を救い、この国を、この世の中を照らして、更に善きものにしてゆくという使命を持っています。会員皆がそのことを認識して、この寅の年の行をして行きたいと思います。希心會の会員が皆で手を取り合って、共に私たちの先祖供養、因縁成仏のやり方を改めて見つめ直し、皆さん自身が「善き変化」となって一心に行じて頂けます様お願い申し上げます。  合掌


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