R7年 第73回開教記念日会長挨拶
本日は、初代会長飯島将吉により、希心會が開教してから73回の記念の日となります。初代会長夫妻の思いに賛同した79名の導師で始まった希心會は、今では日本各地だけでなく、海外にも希心の法華経を信じ、行ずる方たちがたくさんおられますが、この73年はずっと順風満帆ということはなく、危機的な時期もあったと聞いています。それでも諸々の難を乗り越え、希心の法華経を信じた多くの導師・信者の行によって本日があります。変えてはいけないことはしっかりと守り、変化が必要なところは時代に合わせて行くという柔軟性をもって、73年間のそれぞれの時の、それぞれの支部の、それぞれの支部長や導師や信者の方々がこの希心會を支えてきました。
さて、それでは今の希心會は危機ではないかというと、そうではありません。世界的な気候変動、急速な情報機器の発達や少子高齢化といった日本国内の、そして世界の急激で大きな変化の真っただ中に私たちはいます。そのような時代の中で、これから希心會は何をしてゆけばよいのでしょうか?その答えは既に出ています。私たちは73年前に定められた『希心會の立教の大綱』をそのまま、皆さん一人ひとりが行ってゆけば良いのです。
個々の因縁洗浄を一つひとつ積み重ねてゆくことで、最終的はこの国や社会の安泰、世界平和につながるであろうということは淡い願いであり、私たちが生きている間には達成できないかもしれません。しかし、その願いをしっかりと持ちながら、諦めずに一つひとつ積み重ね、私たちの次の世代へと受け継いでもらい、いつかはこの願いが成就することを祈願してゆくこと、これが私たち希心會のすべての会員の行であり、使命です。
お釈迦様は「水が一滴ずつしたたり落ちるならば、いつかは水瓶でも満たされる」と言っておられます。善い行いを一つひとつ行ってゆけば、いつかは大きな瓶も満たされ善き順序が頂ける。反対に、小さいことでも悪い行い積み重ねて行けば、いつかは水瓶が悪行で満ちて溢れ出てしまい、報いを受けることになるという意味でおっしゃっています。
私たち希心會の会員は、この現代社会の中で悩み、苦しんでいる多くの人々を一人ひとり丁寧に救いあげ、その「願い」が少しずつ成就するよう行じてゆきましょう。正しい教えを広めてゆくことは大変です。その大変だが正しい教えを広めるために必要なのは我々の心です。他の人を思いやる心、謙虚な心、感謝の心で接すれば、相手はいつか分かってくれると信じて行じることが大事です。希心の法華経に出会えたことに感謝し、導引かれたことに感謝し、導引いた相手にも感謝し、いつも「ありがとう」という感謝の心を持ってゆきましょう。
希心會の大神様は普賢菩薩です。文殊菩薩の「智慧」と並び「慈悲」を象徴している菩薩だとも言われます。お経巻には、普賢菩薩は法華経を修めようとする者の前に現れ、その行を助けてくれ、「若し後の世に於て是の経典を受持し読誦せん者は、(中略)現世に於て其の福報を得ん」とあります。しっかりと普賢の行を行ずれば、今生でも善き順序を頂けると説かれています。
それでも日々の生活では、いろいろなことが降りかかってきます。しかし、仲間がいれば乗り越えられます。私たちが毎日唱える回向文「願わくは、此の功徳をもって普く一切に及ぼし、我らと衆生と皆共に仏道を成ぜん」とあるように、「皆ともに」日々の行をしてゆきましょう。希心會の仲間、支部の仲間、法座の仲間を大事にして頂き、これからも共に前進の行をして頂けることをお願い申し上げます。合掌
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