希心會会員の皆様へ

 この度の未曽有の災禍の中、会員の皆様におかれましては、日々それぞれの場所で、希心の行の継続にご尽力頂き感謝申し上げます。

 私たちの社会生活や日常生活は、政治、国防、医療などの「表の力」によって守られ、成り立っています。しかし、表だけですべてがうまく行くわけではありません。私たち希心會は、陰の因縁を洗浄することによってそれらを守り、支えてゆく行をしています。社会生活や日常生活が大きく制限されている今こそ、会員個々の真剣な行が必要であり、私たち一人ひとりの精進、努力が問われています。

 希心會の会員は、法華経の行者として、自分のことだけでなく、いつも周囲の人々のことを考え、衆生を救うのだという意識をもって頂きたい。私たちが今日直面している困難な状況は、一人や二人の力では克服することはできません。この社会に生きている者皆が認識し、行動しなければなりません。会員一人ひとりが陰の行をしっかりと行って「国土国家皇室の安泰、天変地変が無き様、悪疫が収まる様」という大願祈願をなすべきなのです。希心會の「先祖供養」とは、我が家の御先祖だけでなく、皆さん一人ひとりの過去生の因縁によって繋がっている、皆さんの周囲の人々の御先祖も供養し、成仏させなければなりません。だからこそ導引きが重要なのです。私たちは、私たちの周りの多くの人々のおかげで日々生かされ、生活をし、行をすることができるということを改めて思い直し、謙虚な心になるべき時なのです。

 今は本部、支部で参拝することができなくても、自宅で現在の状況が改善することを一心に祈り、社会が安定することを祈ること。御経の力を信じ、御経巻を一品でも多く、心をこめてあげること。御山修行に行けなくても、一生懸命に祈れば、必ず霊界は皆さんの祈願を受け取って頂けることを、会員皆が認識し、実践し、この難局を乗り越えて頂けることをお願い致します。

 現状では個々に会って話をし、導引きを行うことは難しいと思います。だからこそ知恵を働かせ、電話、手紙、その他現代にある色々な通信手段を活用して希心の法華経を伝えてください。日本全国には、多くの希心會の会員がおられます。その中には、おそらく一生本部や支部に参拝する機会がなくても、希心の法華経を信じて日々行じている会員がたくさんおられます。その方々のことを考えると「会えないから伝えられない」ということはありません。

 さて、「今が新型コロナウイルスを抑えられるかどうかの“正念場”である」というニュースを聞いて、「正念」とは八正道から来ているなと思い調べてみたところ、やはりそうでした。皆さんご存じの通り「八正道」とは、お釈迦様が説かれた悟りに至るまでの修行法であり、「八正道」で生活や行を正してゆくことが心を正すことにつながると教えておられます。その中で「正念」には、雑念のない安定した心、平常で乱れのない心という意味があり、そこから、安定した心持ちや平常心が必要な場面を「正念場」と表現するようになったようです。

 私たちは、社会ではそれぞれの家庭の、仕事の、また地域や社会活動の一員として役をしています。今こそ私たちは「妙法蓮華経」を一心に読み、そこからそれぞれの「正念」を導き出す時です。このような災禍の中でどのような心でいるべきか、何をすべきか、社会に対して、皆さんの周りにいる人々に対して何ができるかを考え、この「正念場」を乗り越えて行く時です。今こそ会員一人ひとりが考え、行動することが求められています。

 「五百弟子受記品」には「佛土を浄めんが為の故に、常に勤め精進し衆生を教化せん」とあります。また、「仏説観普賢菩薩行法経」には、このように大乗の心を持って懺悔することが「正念」であると説かれています。この悪疫を収束させ、国土を浄め、人々を救うために、会員皆がお互いに連絡を取り合い、協力し合って行きましょう。日蓮上人も「百人千人なれども 一つ心なれば必ず事を成ず」と言われています。皆で心を一つにし、共にこの大難を乗り越えて行きましょう。 合掌


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