令和2年 開教記念日会長挨拶

 希心會は昭和、平成を経て令和という時代に入り、今年で68年の歴史を刻むことになります。過去68年間に、幸運にも希心の法華経に出会い、行をし、霊界に還っていった多くの導師、信者の皆さんがこの希心會の歴史を支えてきました。人だけでなく、支部も同様です。各時代の支部長が、自分の支部使命を背負って行を続けてきております。そして、今年も新しい支部が芽生えようとしています。このように、希心會は68年間新陳代謝を行って存続してきています。変えてはいけないことはしっかりと守り、変化が必要なところは合わせて行く、そういったそれぞれの時の、それぞれの支部の、それぞれの支部長や導師、信者がこの希心會を支えてきました。この歴史を100年にするのか、未来永劫にまで伸ばせるかどうかは、その時その時に、希心の法華経を信じて行ずる皆さん次第なのです。

 私たちにとって変えていけないこととは「釈迦牟尼世尊の説かれた尊い妙法蓮華経に帰依し、自ら各家庭の御先祖を供養すると共に、菩薩行を実践することにより、各家庭の幸福、国家の安泰、世界平和の実現を期する。」という開教の精神です。菩薩とは「自ら悟りを求めながら、衆生を導き、仏道を成就させようとする行者」のことです。我々はその菩薩行を行うために、法華経を心と行のよりどころとし、先祖供養をその行の柱に据えています。法華経は「諸経の王」と称されるお経であり、お釈迦様の教えを的確に伝えています。そして先祖供養とは、現在に生きている私たちは、肉体的にも精神的にもずっと過去からの積み重ね、継承の結果であり、その過去無限の業障を背負っている結果として色々な悪因縁に悩まされると考えると、自ずから自分の過去生をきれいにし、今生に少しでも良い順序を得ることができる重要な行であることがわかります。皆さんは、日々御経をあげると、毎日違うところが、違う文字が、違う語句に気が付くと思います。それは、皆さんが御経をあげた相手の先祖が反応しているのです。それは、先祖が救ってほしいという信号を出しているかもしれないし、自分が今悩んでいることに対して、御経によって成仏した先祖が「気づき」を与えてくれているのかもしれません。二千年に渡って人々が読み重ねてきた法華経を大事にして頂き、毎日毎回の御経を大事にして頂きたいと思います。

 そして、皆さんの先祖はご自分の家だけでなく、皆さんの周りにいつもいます。導引きを行うと、導引いた方の新たな因縁が寄ってきます。過去生で皆さんの先祖と何か関係があったからこそ出会い、導引くのだとも言えます。それは過去生では敵だったかもしれないし、心から分かり合える友だったのかもしれません。導引いて出会った者を法華経を通して良い方向にいざなってゆくことが本当の意味の導引きであり、導引きで出会った方、因縁、先祖を大事にしてゆくことが、自分自身の悪因縁洗浄、先祖供養に確実につながってゆくのです。そして、行は皆同じではありません。それぞれの因縁によって違います。ですから常に精進が必要で、各自のやり方で、謙虚な姿勢で謙虚に学ぶこと、常に感謝の心を持つことが必要です。
 
 時代は年号だけでなく社会が変わり、人心も大変なスピードで変わってゆきます。そんな中で希心の法華経に出会えたこと、導引かれたことに感謝し、導引いた相手にも感謝し、いつも「ありがとう」という心でいれば、自ずと「自分がいけない」「自分の修行がたりない」という懺悔の心になり、その結果として良い修行ができるのはないでしょうか。

 私たちが毎日唱える回向文に「願わくは、此の功徳をもって普く一切に及ぼし、我らと衆生と皆共に仏道を成ぜん」とあるように、皆と共に日々の行をしてゆきましょう。希心會の仲間、支部の仲間、法座の仲間を大事にして頂き、共に前進し、次の開教記念日に向けて共に行じて行きましょう。合掌


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