令和7年 元旦 会長挨拶

 新年明けましておめでとうございます。
 昨年は龍の年でしたが、元旦早々から大きな地震があり、そして大雨、洪水と、龍の力のもの凄さを目の当たりにした年でした。日本国内も海外も、環境、社会、政治、経済など様々な分野で大きな変化があり、私たちの生活も不安定さを感じた方も多いのではないかと思います。

 日本においては、少子高齢化の傾向はまだまだ続いて行きそうです。そのため、私たち希心會の行についても、今後それぞれの役を果たす者が減って行くかもしれません。各支部とも行をする者を確保してゆくことは大変だと思います。しかし、これは希心會だけのことではなく、日本中、場合によっては世界の主に先進国でも同様です。あらゆる分野で少子高齢化の影響が出ている中、それぞれが皆、自身の所属している組織や活動を何とか維持しようと努力しています。私たち希心會も「立教の大綱」を実現するために、今行っていることを絶やさないように仲間を増やし、皆さん一人ひとりが前進の行をする努力が大事です。

 令和7年の干支は「乙巳(きのと・み)」、蛇の年です。「乙巳」の「きのと」は草木がしなやかに伸びる様子を表しており、困難があっても努力して進んで行くことを表していると言われます。また「み」はヘビが脱皮して成長してゆく生命力を表しているとも言われます。これらの意味から「乙巳」の年は「努力を重ねて、物事を安定させていく年」、「変化と成長の年」であると言えます。
 
 そして、蛇は脱皮し成長するその生命力から「再生と変化」、「不老長寿」を象徴する動物であり、古くから神の使いとして信仰もされてきました。インドの古い仏像の中には、お釈迦様が座って瞑想している上に、おそらくインドの厳しい暑さと強い日光を遮るように蛇が覆いのようになって、お釈迦様を守っているものを見かけます。私たちは、お釈迦様の説かれた尊い『妙法蓮華經』を信奉していますので、今年の干支の蛇にも、私たちの行を御守り頂きたいものです。

 しかし、私たちの行を守って頂くためには、まず私たち自身で努力して行かねばなりません。今年の干支の意味は「変化と成長」ということですが、私たちの行も時代や社会の変化に合わせて変えてゆかねばなりません。停滞は衰退であり、前進しなければ私たちの使命を果たすことはできません。私たちの使命とは、もちろん『普賢菩薩勧発品』に「一切衆生を救うの心を発せるなり」とあるように、皆さんの周囲にいる悩み、苦しんでいる人々を、希心会の行で救ってゆくことです。

 お経巻の中で妙音菩薩は、三十四身の変化(へんげ)となって法を説くとされています。三十四身とはもちろん例えであり、皆さん自身も相手に合わせて感応し、変化して希心の法華経を説かなければなりません。『妙音菩薩品』には「神通・変化・智慧において損減する所なし」とあります。私たちが変化もおそれずしっかりとした心で行ずるならば、希心の法華経の教えは、どんなに多くの人に与えても減るものではありません。

 時代にあわせ、社会にあわせて変化してゆくためにも、改めて希心會の『立教の大綱』の思いを確認し、令和7年という変化と成長の年を、皆さんと共に歩んで行きたいと思います。
 
 お釈迦様は「よき仲間を得ることが悟りそのものである」とおっしゃっています。本年も希心會の「よき仲間」である会員皆が心を一つにし、諦めず、皆さんの周りにたくさんおられる、救ってもらいたいと願っている先祖を供養し、因縁洗浄を行い、諦めず、私たち一人ひとりの善き順序を頂ける様精進努力をして行きましょう。合掌



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