平成30年 清澄山祈願参拝下山祝賀説法会 会長説法

本年の希心會清澄山祈願参拝にも、多くの方に修行をして頂き感謝申し上げます。
 
 私が会長になって今年で10年となります。以前は10年一昔と言ったものですが、最近では10年どころか半年前の事もすぐに忘れ去られてしまう世の中です。そしてこの10年でもまた大きく進歩した科学技術により、私達の生活はとても便利にはなりましたが、その代償として得たものは「地球温暖化」とインターネットを代表とする「情報化社会の発達」です。
 
 日本の気候は温暖な気候から亜熱帯気候化しています。このまま進めば日本の気候は熱帯化し、台風、大雨、洪水による被害が著しく増えて、私達の国土はむしばまれ、生活どころか命までもおびやかされるでしょう。また、高度な情報機器によって得られた利便性と引き換えに、多くのものを失っています。人々は、人の言葉や行動よりもインターネットを信じてしまっています。しかし、インターネットで病気が治りますか?人間関係が改善しますか?良い縁が見つかりますか?商売がうまく行くでしょうか?もちろん一部の人はできることもあるでしょう。でも希心會の目的である万民の救済ができるのでしょうか?情報化社会の中で、人間関係はもっと殺伐としてきており、人はもっと孤独になり、もっと心を病んでいます。そして、多くの犯罪につながっています。人と人が顔も見ず、触れ合うこともせず、インターネットの情報ばかりを信じて行けば、この世界は大変なことになってゆくでしょう。
 
 さて、ご存知の様に仏教では輪廻思想があり、生けるものは死後また生まれ変わると言われています。皆さんも過去生で何度も生まれ変わっている間にいろいろな事をしています。良いことばかりしたならば日々の生活で苦しんだりせず、今頃天界で楽しい生活をしているでしょう。しかし、今生でも地獄、餓鬼、畜生、修羅のような中で生活をしている。それは皆さんが過去生で行ったいろいろな悪事によって殺されたり、邪魔をされて恨みを持っている悪因縁が皆さんの回りにたくさんいて、いつも皆さんを狙っているからなのです。希心會の行は、そういった先祖供養、因縁洗浄の行ですが、御山の修行は私たちの日々の読経や導引き、御指導ではできない、大きな先祖成仏、悪因縁洗浄をすることができる行なのです。
 
 そして、希心會の御山修行は、希心會の御守護神である普賢菩薩様に毎年支部ごとに人員を誓約し、願い出を行い、御許しを頂いて修行ができます。「私は願い出などしていない」と言う方もいるかもしれません。でも何もせずに因縁洗浄ができ、良い順序を頂くという訳にはまいりません。本来ならば、各自でも「今年はこのようにしっかり行をします」とか「あと1名多く連れて行きます」などと誓約して行うべきものなのではないでしょうか。それが各自の御山修行に行く意味となり、それがまとまって各法座の、各支部の誓約人員になるのです。数年前に普賢菩薩様から「毎年誓約を減らしておいて、今年の修行はまかりならん」と言われたことがありますが、毎年必ず行うことのできる「例年行事」ではないのです。それでも初代会長は「御山修行はなんとしても行かねばならない」と言っていましたが、それは一人ひとりの因縁洗浄をするために、そしてその結果として皆が幸せになるように、という大願祈願のための修行だからなのです。

 今年も清澄山上では、各支部の導師が御指導を頂いて、皆さんが連れていった多くの先祖を名乗って頂き、成仏頂きました。この様に、私たち一人ひとりが陰の行をしっかりと行って「国土国家安泰、天変地変無き様、悪疫の流行致しませぬよう」という大願祈願を達成すべきなのです。お経巻に「この経は深妙なり、千萬劫にも遭い難し」とありますが、幸運にも希心の法華経にめぐり会った私たちはその使命を認識し、一歩一歩進んで行かなければなりません。ぜひ秋の身延七面山修行に向かって、引き続き精進努力をお願い致します。合掌

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