平成28年7月 清澄山祈願参拝下山祝賀説法会 会長説法



本年も、大神様より正月三日に清澄山祈願参拝の御許しを賜り、21支部23回に渡って無事祈願の順序を頂きました。毎年のように、多くの方々が全国津々浦々から修行をして頂いたことに御礼を申し上げます。

今回の修行が始まってからすぐ九州熊本地方を中心に大きな地震が起こり、多くの方がまだ被災されています。最終回にもその熊本から、まだ避難生活をしているのに修行に来て頂いた方もおられました。本当に頭の下がる思いです。希心會でも義援金を募っており、皆さんのお気持ちに希心會として相応の金額にして、しかるべき先に送金したいと思います。

この地震と前後し、他の地方でも多くの地震がありました。そして各地で人の命を奪う凶悪犯罪が続発し、大企業の不正が明らかになったりしております。海外でも大地震やテロなどが絶えません。このような世の中を「末法の世」と言うことがあります。末法の世というのはこの世の終わりということではありません。仏教では、お釈迦様が亡くなった後「正法・像法・末法」という三つの時代が来るといわれています。正法とは仏の教えと修行と悟りの三つが揃っている時代。像法とは、教えと行だけは残るが、悟る者がいなくなる時代。末法とは、教えだけが残り、行や悟りもなくなる時代。この考えからすると、日本の現状は末法の時代でしょうか?確かに社会状況を見るとそう言えるかもしれません。しかし、皆さんの様に希心會の教えに従って行をする人々がいる限り今は末法ではなく、少なくとも像法の世であり、その中で皆さん自身が悟ることができるならば、それは正法の世なのではないかと思います。本日皆さんと読んだ「勧持品」にも「佛の滅度の後 恐怖悪世の中に於て我等當に廣く説くべし」とあります。もし現在が悪世末法の世だとしても、私たちが一所懸命に正しい希心の法華経を説いて広宣流布するのだという心を持ち、行をするならば、この世界は皆さんの周りから正法の世になるのではないでしょうか。

御山修行が終わって本部御旗納めの際に、大神様からは「天変地変未だ収まらず 各自各自行者の本分全うなすべく、愚痴不平不満退け、互いに心磨き、切磋琢磨なせ」と御詞を頂きました。私たち希心會の法華経行者は、大神様のご注意に真摯に耳を傾け、自分のことだけでなく、周りの人々を救い、そして私たちの国土国家を清めることに心を砕いて行をしなければなりません。そうして個々の因縁洗浄をし、天変地変が無いように祈って行くこと、それがこの国を悪世末法から正しい考え、教えが広がる正法の世に変えることになります。そして、これこそが私たちの目指す「菩薩行」であり、皆さん一人ひとりが菩薩になる修行をしているのだということを忘れないで頂きたい。「常不経菩薩品」にも「正法・像法滅盡の後、此の国土に於て復佛出でたもうことありき」と説かれています。まさしく皆さんがその役を成すべきなのです。

希心會の清澄山祈願参拝は、「南無妙法蓮華経」と始めてお唱えになった日蓮上人の足跡をたどり、希心會としての大願祈願を行うために、そして私たち一人ひとりの祈願を行うために修行をさせて頂きました。日蓮上人は「すこしもたゆむ心あらば 魔たよりをうべし」と言われ、心が緩むとそこに魔が侵入すると言われました。そして、「正しく」「清らかに」行に励むならば、必ず諸天の守護があって、簡単に魔が入りこむことがないと諭されました。御山修行も、本日の説法会も、日々の導引きもまさしく霊界から頂いた「一期一会」の順序です。一日一日を、常にこの時を大事にしながら、正しく、清らかに前進して行きたいものです。
導師には「既に身延七面山の修行は始まっている」と申し上げています。皆さんもこの希心の法華経の使命を果たす仲間として、ぜひ今日からまた心を新たに、次の修行へ向けて精進をお願い致します。


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