令和2年元旦会長挨拶

新年明けましておめでとうございます。
 昨年は令和という新しい時代に変わった大きな変化の年でした。その時代の幕開けも、天変地変の多発、凶悪犯罪の増加、他国との軋轢、経済の悪化など決して明るい年ではありませんでした。

 前天皇の上皇陛下は、御在位30年の記念式典でのおことばで「これまで務めを果たしてこられたのは、過去から今に至る長い年月に、日本人がつくり上げてきた、この国の持つ民度のお陰でした。」と国民に感謝を表しておられました。しかし、現代の私たちの民度とはどれほどのものなのでしょうか?自分の都合しか考えない、自分は悪くない、自分がよければそれでよい、そういった者が増えているのではないかと強く思います。ですからパワハラ、セクハラ、モラハラなどということが氾濫するのだと思います。これは他人ごとではありません。私たち希心會の会員も、「自分の都合だけを考えていないか」と常に反省、懺悔が必要であると思います。

 一方で、新しい天皇皇后両陛下が、皇室の役目を引き継ぎながら、新しい風を吹き込んで頂いておりますので、大変な新時代であっても、何かしら明るく、前向きな時代のような感じがします。私は、天皇陛下の御役目とは、突き詰めると「祈る」ことだと思っています。この国の人民が平和で穏やかな暮らしができること、そう祈り続けることが役目であり、新しい天皇皇后両陛下も、それこそ自分のことなど考えずに、祈り、祈りきるという行をされているのだと思います。

 私たち希心會の行も、このように「祈りきることができるか」が問われるのだと思います。皆さん一人ひとりもそれぞれの祈願を、祈りをするでしょう。しかし、その祈願は日々ご自宅でご先祖にお経をあげる時に毎回祈るということが大事です。お経をあげる、導引きを行う、御指導を頂く、御山修行に行く。希心會の行をしっかりと実践し、それぞれの時にしっかりと祈りきることが大事なのです。今生に人間として生を受けたことは奇跡です。そしてその上法華経に巡り合ったことは僥倖です。さらに希心の法華経に出会った私たちは、幸せ者だといわねばなりません。その希心の法華経を信じて祈りきることができれば、皆さんの祈願は成就します。しかし、お経巻の化城喩品に「仏道は長遠なり 久しく勤苦を受けて乃し成ずることを得べし」とあるように、祈願成就に至る道は遥かです。日蓮上人も「道の遠きに心ざしのあらわるるにや」という言葉を残し、遠き道だからこそ、その「こころざし、決定、決心」がわかるとされています。私たちも希心會の会員として、希心の行を歩む決定をし、常に共に歩む仲間を探し、導引いてください。それこそが、悪因縁を洗浄し、他人を救いながら、最終的には自分の祈願成就につながる道なのです。

 希心會は開教以来68周年を迎えようとしておりますが、支部も、導師も、信者も変わってきています。これからは、全会員がこの新しい時代に「自分は何ができるのか?」「自分は何をしなければならないのか?」を考え、決定し、行動してゆかなければ、自らの祈願も成就できず衰退してゆくでしょう。いつも申し上げているように「停滞は衰退」です。ですから、立ち止まらず、この道を歩み続けることが、この希心の法華経に巡り合った者の使命であり、修行なのです。
今年も、日本中にいる希心會の仲間と共に、新たな時代へ、共に一歩を踏み出して行こうではありませんか。本年も、皆さんの精進に期待致します。合掌


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