平成28年3月号 第六十四回開教記念日祝賀説法会  会長挨拶



昭和28年2月11日に開教した希心會は、その前年に発足に賛同した79名の導師が連判状をもって決定しています。その連判状を読むと、当時の導師の熱い思いが感じられます。法華経の教えでこの国を守り、衆生を救い、この世を救わんとする気概に溢れています。本日希心會の開教記念日にあたり、今日の私たちはその気概を受け継いでいるだろうか?自分の都合、自分の功徳ばかり追い求めていなだろうか?正しい希心の法華経と言いながら増上慢になっていないだろうか?と再度希心會発足当時、また皆さんが希心會と出会った時のことを考える必要があるのではないでしょうか。今まで私は希心會を維持発展させることが私の役であると思っていましたが、最近改めてそれだけではなく、希心會発足時の導師の思い、使命を継承し貫くこと、それに沿って希心會を導いてゆくこと、それが自分の役であり会長としての行であると感じています。

皆さんがよく言う「正しい希心の法華経」とは何でしょうか?お釈迦様は、悟りを得た後の最初の説法の中で「人生は苦である」とされ、四苦八苦から逃れ悟りを得るには「八正道」の行いをすることだと説かれました。私たちはこの教えに従って日々の生活を正し、行をすることが必要です。そして、その修行は皆さん個々のものですが、希心會で行をする限り希心會の教え、やり方で行じなければなりません。御指導で開教記念日の経文順序をお聞きした時に「大神に感謝し、普賢菩薩に礼を尽くして、導師信者一同集いて祝い申せ」との御詞を頂きました。感謝する心、礼を尽くすこと、これは希心會では特に重要としている行です。希心會の法華経行者として、導き親、先輩行者、導師、支部長に感謝し、良く話を聞き、行ずることが大事です。私たちは日々目まぐるしい娑婆の生活の中で、ともすれば感謝の心を忘れがちです。しかし、この娑婆世界で幸運にも希心の法華経に巡り遭わせて頂いた恩を、そして日々大神様に守られて生活ができる、先達に教えられて行ができるという感謝の心を常に謙虚に持って行をしなければならないと思います。本日の経文供養の『見寶塔品』の中にお出ましになる「多宝如来」は「滅度の後も法華経の説かれるところに必ず出現して、その真実であることを証明する」と誓願をたてた如来です。日蓮上人は「末法の世に入って、法華経を保つ男女の姿よりほかに宝塔はない。貴賤上下なくただ南無妙法蓮華経と唱える者は、わが身が宝塔であって、多宝如来である」と言われています。そして『見寶塔品』後半には「六難九易」といって、法華経を広宣流布する難しさが説かれています。六難とは、仏の滅後の悪世末法に法華経を説くこと、自ら書写し、人にも書写させること、正しく読むこと、教えを保ち、人のために説くこと、この経を聞き、質問し、信受すること、教えを崇がめ、尊び、奉持することです。さらに経文では「誰かよく此の娑婆国土に於いて廣く妙法華経を説かん」「此はこれ難事なり、宜しく大願をおこすべし」と皆さんに呼びかけ、励まされています。今年の元旦には普賢様から「難行苦行を厭わず津々浦々に広宣流布し、心を堅固に持ち恐れず退かず互いに切磋琢磨して一心に行に進め、不言実行、己の行を振り返り初心にかえれ」と今年の行への叱咤激励の御詞を頂きました。私たちはお経巻からも、大神様からもいつも励まされているのです。

身をもって読むことを「色読」と言いますが、これは「法華経を正しく読み取って実践すること」にほかなりません。日々心をこめて経を読み、日々たゆまず導引きを行い、謙虚な心で他の人々に法華経を説くこと、これが希心會の行であり、法華経を色読するということです。
 さて、本日は各支部の神様も支部御旗とともに道場にいらしています。そして遠方から、近郊から多くの導師・信者が希心會の誕生日を祝いに集まっています。ぜひ色々な功徳、行のお話を聞いて、大神様の言われた通り皆で祝い、また明日からの行の糧にして頂きたいと思います。


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