平成27年1月号 元旦会長挨拶

新年おめでとうございます。昨年も皆さんが行に励んで頂いたことに対して感謝申し上げます。
「昨年の漢字」は「税」でしたが、2位以下は熱、嘘、災、雪、泣、噴、増、偽と、喜びや楽しみを思い起こせる字が一つもありません。地震、土砂災害、噴火など多くの自然災害があり、大変な病気が流行り、凶悪犯罪が国の内外で起こりました。希心會でも支部長や導師、多くの信者が病を得、苦しみながらも行をされました。一方で昨年は多くの若い年代の導師、信者が一所懸命に行じていることに触れ、今まで希心會を支えて来た方々の年代は上がってきているが、同時に若い世代が行の中核を担い始めていることを実感した一年でもありました。私達は先達が伝えてきた火を絶やさない様、受け継いで次に渡して行くことが使命です。たとえその火を落としてしまったとしてもそれをすぐに拾い上げ、また前に進んで行く、そして次の者が更にそれを受け継いで行く。こういった積み重ねが私たちの行であると思います。そのようにして先祖がはるか過去からずっと命をつないできてくれたお陰で今の自分があり、私たちはその先祖を供養することで更に先へ進もうとしています。

さて、昨年皆さんにお願いしたことを覚えていると思います。「正しく希心の法華経を理解して実践する人を作る」「御山の修行に今まで行かなかった人、最近行っていない人を連れてくる」という事でした。いつも法華経は「行動する行だ」と申し上げていますので、今日皆さんへの問いは「できたか、できなかったか」ではなく「やったか、やらなかったか」ということになります。一人ひとりが自分に厳しく問いかけ、やらなかった人は反省し次はやってみる。やった人はもっとやることが大事だと思います。

そして、今年はまた新しいお願いを致します。今年は一人ひとりの、一つひとつの行を「研ぎ澄まして」行ってほしいということです。日々の読経、信者を回る時、導引きをする時、どれだけ真剣にできているでしょうか?御山の修行道中で、どれだけ題目に集中することができているでしょうか?私も大いに反省し、今年は皆さんと一緒に「研ぎ澄ます」、別の言い方をすれば真剣に向きあう「質」を高める行をしてゆきたいと思います。質を高める行をするためには謙虚な心をもつことが大変重要です。法華経の行者は常に謙虚で、素直でなければなりません。わからないことは頭を下げて教えて頂く。言われたことは素直に従う。愚痴、不平不満を言わない。行を適当にやらないという姿勢が重要です。日蓮上人の御生涯を思えば分かる様に、法華経は耐え忍ぶ行です。耐え忍び、そして謙虚な心になれば必ず周りの人々が皆さんの行を助けてくれます。霊界はそういう力を持っていますし、希心會の行はまさしくそのような順序がつくのです。反対に自己は顧みず、他人のことばかりあげつらうと、まさしく因果応報、逆の順序がついてしまいます。譬喩品に「此の經に於ては信を以って入ることを得たり」とあり、信が無く行をすると却って様々な難に会うと説かれています。日々生活も、そして希心會も娑婆の行です。思う様に行かないことが多々あると思いますが、導引きを行い、仲間を増やすためにも心を研ぎ澄まして頂き、質を上げていって頂きたいと思います。

天変地変、悪疫流行、凶悪犯罪を抑えるためには、皆さん一人ひとりがこの正しい希心の法華経を全国津々浦々に広げて頂き、私たちの力で因縁を洗浄してゆく必要があります。高齢だから、若いから、一人だからと、始める前からあきらめるのは、戦う前に白旗を上げるに等しいのです。歴史を見ても一人一人の行動が世界を変えてきました。私たちが個々でできることはちっぽけかもしれませんが、その小さな行いの一つひとつが大きな波となって世の中を変えて行くのです。私たちの行は導引いた人を幸せにし、「国土国家安泰成就、転変地変の無きよう、悪疫が流行せぬよう、各自各家庭の悪因縁洗浄成仏」につながります。皆さんはそうした大事な行を今年もやるんだという気持ちで行じて頂きたい。私も希心會の発展のため一生懸命働きますので、本年も皆様方一人ひとりの精進をよろしくお願い致します。


※ 下記ダウンロードボタンより、PDFファイル入手可能。