令和元年 清澄山祈願参拝下山祝賀説法会 会長説法

 今年の清澄山修行中に、時代は平成から令和になりました。2月の「天皇陛下在位30年記念式典」で、当時の天皇陛下(現上皇陛下)は「これまで務めを果たしてこられたのは、長い年月で日本人がつくり上げてきた、この国の持つ民度のお陰でした」と述べられました。「人々が美しく心を寄せ合う中で文化が生まれ育つ」という新しい元号の意味から思うと、本当に日本人の民度は高いのだろうかと思います。天変地変が多発する中、弱者虐待や無差別殺人と言った凶悪犯罪が多発し、日本人の心がすさんできています。

 お釈迦様は「因縁因果」を説かれましたが、これは「すべてのことは因があって生じる」ということです。現在自分が悪い境遇にいるのは、過去生で悪いことをした結果だというと、日本人は「運命」としてそれを受け入れがちです。私たちはこの美しく豊かな国に生まれたが、常に地震、火山の噴火、津波、台風などにみまわれ、人智ではどうしようもないことがあるという環境に生きてきたからではないかと思います。

 しかし、希心會は「運命は変えられる」と考えています。希心會では因縁のことを「悪因縁」と言って、私達の先祖が過去生で悪い行いをし、その悪行によって成仏できなかった霊魂のことを指すことが多いです。その悪因縁が今の皆さんに恨みを持ち、悪さをする。また、それらは、本当は成仏をしたいのにできないで頼ってくる先祖であると考えています。日々読経、導引き、希心會の特色である御指導などを通して自分自身にまつわる悪因縁を、迷えるご先祖を成仏させることで、今生の順序が少しずつ付いてくるというのが我々の行です。

 しかし、それだけでは成仏させられない大きな先祖や多くの先祖を成仏させられるのが御山修行です。希心會は67年間、多くの導師、信者が、皆さんが今回歩いて修行をした場所で修行をしてきました。皆で祈願をした清澄山の旭が森は、日蓮上人が初めて御題目「南無妙法蓮華経」と唱えた場所です。私達が信奉するのは「妙法蓮華経」(白い蓮の花の様に清らかで不思議な力を持つ教え)ですが、それに日蓮上人は「ただひたすらに行じます、一心に帰依します」という意味で「南無」をつけました。南無には行動するという意味が含まれています。法華経を読むと、衆生を救うために行動せよということが説かれていることがわかります。私たちは、日蓮上人の「初題目の地」で修行することにより、自分の因縁だけでなく、他の因縁も成仏させることができたのです。今回皆さんの修行には、皆さんの周りの普段の行では成仏していない、色々な妨げをする因縁が皆さんと一緒について来たのです。そして、あの霊山で皆と一緒に修行をすることで、それらが成仏出来ます。なぜならば、本部の御旗が同道した支部の場合は本部の神様である普賢大菩薩様が、そして各支部の御旗には各支部の神様が御旗に分身として乗り移って共に修行をして頂いたからです。また、支部長、霊感者、守護神導師といった者と共に、多くの神様が共に修行をしたからです。その力と皆さんとが一緒に、一心に修行することで多くの悪因縁が成仏したのです。

 御山修行を終えた皆さんの顔は、本当に晴れ晴れとしています。それは、やはり希心會の御山修行をすると、自分の悪因縁が洗浄され、成仏できなかったご先祖が成仏して喜んでくれるので、修行後は気持ちが、身体がすっきりするからだと思います。だから一人でも多くの方々に、御山修行に行ってほしいのです。日本中の万民が、皆さんのようにすがすがしい顔になれば、この国はもっと良い国になり、天変地変も凶悪犯罪も収まるのです。

 日本語学者の金田一秀穂氏によれば、令和の「令」は“神様のお告げ”という意味とのことです。まさしく神様にお許し頂いた希心會の御山修行に、ぜひ秋も多くの方が修行に来て頂き、ご自分の、この国の、安寧を祈願して頂きたいと切に願っています。合掌


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