平成31年元旦会長挨拶

新年明けましておめでとうございます。
 「年が改まる」ということは、特に日本人にとってはとても重要な意味を持っています。年月日の枕詞に「あらたまの」という言葉がありますが、これを聞くたびに「魂が新しくなる」と感じます。昨年のことは良いことも、悪いことも事実として受け入れ、新しい魂で新年を迎え、心新たにという気持ちで、この「あらたまの年」を始めたいものです。

 平成30年を表す漢字として「災」が選ばれましたが、自然災害はもう毎年のことになってしまいました。日本人は、古来台風、地震、津波といった自然災害の上に生活をしてきました。そのため、天変地変を「運命」として受け入れてきました。しかし、近年のこの災害の多発は、運命として受け入れるにはあまりにも人為的な要因が入っているように思います。そして、人々はますます個人主義になり、自分だけが良ければよいという利己主義がどんどん強くなっているように思います。核家族化はもとより、生涯「ひとりぼっち」の人がどんどん増えています。これはこの国の、場合によってはこの世界の危機であると思います。

 私たちは大昔から先祖崇拝をし、先祖供養をしてきました。土地や財産や家族や仕事は先祖から受け継いで行くもので、人が霊界に還ればそれぞれの家の法座に祀られ、その家の御先祖として敬われ、供養されてきました。しかし、今の家族だけでよい、一人でよいということがあたりまえになると、その人達が霊界に還ったら、その魂を供養する者がいなくなってしまいます。ひとりぼっちで霊界に還った先祖は、誰が供養をしてくれるのでしょうか?巷には、こうした成仏できない先祖が満ち溢れています。先祖というのは遠い昔の先祖のことだけではないのです。私も皆さんも含めて、これから先祖になる人々も救って行かねばならない。皆さんの周りにも、このような人はたくさんいるのではないかと思います。だからこそ、希心會の会員の皆さんの役はとても重要で、そしてやりがいのある、現代に求められている行なのです。

 いつも申し上げるように、これは楽な仕事ではありません。しかし、皆さんはひとりぼっちではありません。本日この場に来られている方だけでもこのように多くの仲間がおります。でも、もっと仲間を増やしてゆけば、もっと多くの先祖を救ってゆくことができます。そして、この多くの仲間がバラバラに行ずるのではなく、神様の御詞によく言われるように「一丸」となれば難行苦行も乗り越えて行くことができます。日蓮上人の言葉に「百人千人なれども、一つ心なれば必ず事を成ず」というものがあります。御題目一つにしても、皆でお経を読むときも、自分だけでなく、周りと呼吸を合わせるように意識すれば、本当に一つになることができます。

 本年は4月末で元号が変わり、新しい時代になります。その新しい時代に何が待ち構えているのかは、私たちにはわかりません。しかし、霊界はその順序をわかっています。私たち一人ひとりがしっかりと、希心の行を正しく行ってゆけば、必ず道は開けます。

 皆さん自身の因縁洗浄をし、先祖成仏を願うならば、ぜひ一人ひとりが新しい仲間を増やして頂き、今まで出てこなかった仲間を行にいざなって頂きたい。皆さん一人ひとりが希心の法華経の行者としての役を果たして頂きたい。ぜひその使命を、新年という「新しい魂」に吹き込んで頂き、今年も行に励んで頂けます様お願い致します。合掌


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